法人税入門

ホーム
上へ
税額控除制度

お知らせ 事務所紹介 会員ページ トピックス解説 中小企業頑張れ
会計を理解しよう 税法を理解しよう 総務知識も知っておこう 弥生会計を活用しよう  
    データ書庫

お薦めサイト

HPご案内

法人税法等のポイント
・法人税や事業税などの税金が何に対して課税されるのかを理解してください。
・会社に対して重要な税金は利益(所得)に対して課税される税金です。
・会社が利益を1円計上すると、税金がどれだけ課税されるかを理解してください。
・会計は会計取引の処理等に対する考え方を示しますが、税法は企業間の税負担の公平性を考えるために、会計処理を詳細に具体的に規定しています。
・税法は会計にしばしば見られるように見積りを嫌います。そのため、見積要素が入る引当金(退職給付引当金、賞与引当金、貸倒引当金など)などはほとんど認めません。
・税法の一つの目的は歳入確保です。そのため、連結納税が導入されたときに法人税の歳入が8000億円減少すると見込まれたため、財源確保のために退職給与引当金を段階的に廃止しました。
・そのため、税法で計算する利益(所得といいます)が企業の実態を表すとは必ずしも言えません。
・近年、法人税率は減少していますが、その一方で歳入確保のために定率法の減価償却率の引下げ等、経理取引ベースでは法人税等が増額されるケースも増える可能性があります。
・今後、消費税が何段階かに渡って増税されると、会計処理にあたって複数の消費税率から適正な消費税を選択するケース(リース取引など)が出てくと予想されるため、実務では留意したいところです。

 

利益を課税標準とする税金と税率
 (1)法人税
  法人の所得に課税される税金です。
   税率は基本は30%でしたが、中小企業の特例は18%でした(所得800万円まで)。

  ※平成24年4月1日以後に開始する事業年度からは法人税率は25.5%になります。
    ただし、同日以後の3年間は復興特別法人税として10%加算され、28.05%になります。

 (2)法人住民税
   法人に対する道府県民税と市町村民税(地方税)のことです。また、東京都の特別区内(23区)に所在する法人は、基本としては法人都民税だけとなります。
     法人住民税は所得割と均等割からなります。
  @所得割
   法人税額を課税標準として課税する部分です。税率は資本1億円超の会社で20.7%となります。

  A均等割
   資本金ならびに従業員数等に応じて定額で課税される部分です。

(3)事業税
  法人の行う事業に対して課税される地方税です。
   なお、資本金1億円超の会社に対しては所得の他に資本金や付加価値を課税標準とする外形標準課税が適用されます。
 また、平成20年度の税制改正により、地域間の税源偏在を是正するため、消費税を含む税体系の抜本的改革が行われるまでの間の暫定措置として、法人事業税の一部を分離し、地方法人特別税が創設されました。
  税率は東京都に所在する資本金1億円超の会社ですと、外形標準課税が所得割3.26%、付加価値割が0.504%、資本割が0.21%、さらに地方法人特別税(国税)が事業税の所得割に対して148%課税されます。

 

実効税率
 (1)実効税率とは
  企業が1円所得(利益)をあげたときに何円税金(法人税、事業税、住民税)で課税されるかを示す税率のことです。
    実効税率は次の算式となります。

 (2)日本の実効税率の高さ
  日本では法人税、事業税、法人住民税を合わせて現在、世界最高水準の約40.7%の実効税率がかかるといわれています。これに対して米国は約40%、英国は約28%、ドイツは約29%で日本企業の競争力を削ぐものといわれています。

 ※前述の法人税率の改正により、平成24年4月から3年間の実効税率は38.01%、その後は35.64%となります。

 (3)その他
  実効税率を知ることは利益とキャッシュ・フローの差を知る上で重要なことです。利益とキャッシュ・フローの差の大きな要因は税金と減価償却費です。
  また、税効果会計で繰延税金資産の金額を算定するための重要なものです。

 

利益と所得
各事業年度の所得

 各事業年度の所得に対する法人税額の課税標準(課税対象額)となる所得金額は次の算式のとおり、各事業年度の益金の額から損金の額を控除することにより求めます。

 所得金額=益金の額−損金の額

 

益金と収益
 (1)益金とは
  益金とは、法人税に規定(別段の定め)があるものを除き、会社が収益として計上したものです。
 つまり、益金とは次のものとなります。
  ・会計上の収益
  ・別段の定め(収益に付加する、収益を認めない)

 (2)益金の種類
  ・資産の販売
  ・有償による資産の譲渡
  ・無償による資産の譲渡
   資産の贈与など
  ・有償による役務の提供
  ・無償による役務の提供
   無利息の金銭貸付
  ・無償による資産の譲受け
   資産の受贈、債務免除益等受贈
  ・その他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額

  無償の資産の譲渡も益金となります。

  資産200(時価1000)を無償で子会社に譲渡した。

  このときの仕訳は次のようになります。

   (借)寄付金1000          (貸)資産200

                        売却益800

  反対にこうした考え方を税務がしなかった場合には利益の付け替えが簡単にできるようになります。

 例えば親会社が儲かっており、子会社が儲かっていないときに上記の資産を譲渡し、子会社が売却した場合次のような処理となります。

  @親会社

   (借)資産譲渡損200         (貸)資産200

    これにより親会社が税金が減額させることができます。

  A子会社

   (借)資産200            (貸)受贈益200

   (借)現金預金1000          (貸)資産200

                        売却益800

  端的に言えば、法人税法は資産や役務が時価(適正な価額)で取引されることを前提としているといえます。

 

損金と費用・損失
 (1)損金とは
 ・会計上の費用、損失のうち損金となるもの
  ・別段の定め(損金に付加する、損金を認めない)

 (2)損金の内容
  損金とは、法人税に規定(別段の定め)があるものを除き、会社が原価・費用又は損失として計上したものであり、下記のものが挙げられます。
  @当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
  A当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く)の額
  B当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの(例:火災災害などによる特別損失など)

  ※上記Aの「費用」については「債務の確定しないものは除く」とされていますが、@の「原価」についてはそうした要件はありません。そのため、売上原価には債務確定基準は適用されないため、未確定の売上原価でも収益と対応する限り計上することが認められます。

   これは費用を債務が確定していない場合に、単に「見積り」に基づいて、損金の額に算入することを認めると、所得金額の計算が不明確となり、また企業の恣意性が介入しやすくなる恐れがあるため、これを排除して費用としての客観性を確保する必要があるからと考えられます。

 (3)費用の帰属時期
 税務上の費用計上の時期は企業会計の発生主義とは異なり、債務確定主義によることになります。この債務確定の要件は次に掲げるすべてに該当するときとされています(法基通2-2-12)。
  @当該事業年度終了の日までに当該費用に係る債務が成立していること。
  A当該事業年度終了の日までに当該費用に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること。
  B当該事業年度終了の日までにその金額を合理的に算定することができるものであること。

  

利益と所得・収益と益金
 (1)利益
 (2)加算
  @損金不算入
   企業会計上は費用であるが、法人税法上は損金とならないもの
  ・減価償却費の過大計上否認
  ・引当金繰入額の過大計上否認
  ・交際費等の損金不算入

  A益金算入
   企業会計上は収益でないが、法人税法上は益金となるもの

(3)減算
 @損金認容
  過年度で税務上損金不算入とされた処理が当年度になって是税務上損金として認められたもの

 A益金不算入
  企業会計上は収益であるが、法人税法上は益金とならないもの
   ・受取配当金の益金不算入

(4)所得
 上記の(1)に(2)を加算して、(3)を減算して所得金額を求めます。

 

法人税額の計算
 (1)別表4による所得の計算
  法人税申告書別表4で法人税法上の利益である所得を計算します。別表4では決算書の税引後利益からスタートして加算と減算を行い、所得を計算します。

  

 (2)別表1による税額計算
   法人税申告書別表4で計算された所得をスタートにして法人税額(確定法人税額)を別表1で計算します。

   

 

特別控除
 (1)特別控除とは
  政策的な目的のために企業がある租税特別措置法が予定している施策を行った場合、税額を軽減(それに代えて減価償却費の割増償却というものもあります)させるというものです。政策目的の臨時的な制度ですので適用期限に注意する必要があります。

 (2)特別控除の具体例
  ・雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除(雇用促進税制)
  ・試験研究の増額等に係る税額控除  ・生産等設備投資促進税制

 <生産等設備投資促進税制の概要>
  生産等設備の更新を促進して生産性の向上を図るとともに、国内における設備投資需要を喚起する観点から、生産等設備投資促進税制を創設します。

   具体的には、
   (1) 国内における生産等設備への年間総投資額が減価償却費を超え、かつ、
   (2) 国内における生産等設備への年間総投資額が前年度と比較して10%超増加した事業年度において、新たに国内において取得等をした機械・装置について、30%の特別償却又は3%の税額控除(法人税額の20%を限度)ができる制度を創設します。

 〔平成25年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する各事業年度に適用します。〕

 ※生産等設備とは、その法人の製造業その他の事業の用に直接供される減価償却資産(無形固定資産及び生物を除く)で構成されるものをいいます。
 なお、本店、寄宿舎等の建物、事務用器具備品、乗用自動車、福利厚生施設等は該当しません。

 

 青色欠損金の繰越控除等
 (1)青色欠損金の繰越控除
  青色申告法人は一定の要件のもとに青色欠損金を7年間繰越控除できます。
   ただし、平成24年4月1日以後に開始する事業年度からは欠損金の繰越控除額がその事業年度の繰越控除前の80%相当額に制限される(中小法人を除く)代わりに、9年間繰越控除ができることになります。

 (2)前1年間の繰戻還付
  今期において税務上欠損となっている場合、前年度に納付した法人税額の限度内で還付を受けることができます。
  ただし、資本金額が5億円以上の法人の100%子会社の場合には適用することはできません。

 

 

horizontal rule