労働時間と割増賃金

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労働時間の管理
 
労働基準法で定めている労働時間を遵守するためには労働時間の管理を行う必要があります。
 労働時間の管理はタイムレコーダーや出勤簿をもとに行います。ただし、出勤簿では残業時間や遅刻・早退などの時間管理が通常はできません。


法定労働時間

 (1)法定労働時間とは、労働基準法で定めている時間の限度のことで、1週間および1日について定めています。具体的には、1週間については40時間、1日については8時間としています。
  この規定は正社員だけではなく、当然パートやアルバイトにも適用されます。
  ※18歳未満の従業員については、1日8時間、1週40時間を超えて働かせることができません。

 (2)法定労働時間は実働時間で数えます。したがって、昼休み等の時間は含みません。
  会社の所定労働時間は法定労働時間の範囲内でなければなりません。
  所定労働時間は会社の拘束される時間で例えば9時から18時まで(休憩1時間)としますと、拘束時間は9時間で実労働時間は8時間となります。法定労働時間は実労働時間で考えます。
  所定の労働時間外の労働については通常の25%以上の割増金額を支払わなければならなりません(労働基準法37条)。深夜労働の割増率は50%以上となっています。


所定労働時間
 (1)会社ごとに就業規則などで定めている労働時間のこと。つまり、「会社にいて(営業などで社外にいる時間も含む)仕事をしなければいけない時間」のことで、会社に拘束される時間ということです。
 (2)したがって、例えば9時始業、18時終業、昼休み1時間の会社では法定労働時間は8時間、所定労働時間は9時間となります。


法定時間外の労働には割増賃金が必要
 (1)時間外労働のような法定時間外労働には割増賃金を支払う必要があります。割増率は労働基準法で一定の割増率を定めています。

 (2)法定労働時間を超えて働かせる場合には、あらかじめ会社と従業員との間で書面による協定を結び、所轄の労働基準監督署に届け出なければなりません。
   これがいわゆる三六協定(時間外労働や休日労働に関する協定)です。

 (3)割増賃金の割増率
  @時間外労働(法定労働時間を超えた労働)
   25%以上(月60時間を超える時間外労働については50%以上)
  A休日労働(法定休日における労働)
   3割5分以上  
  B深夜労働(原則午後10時から午前5時における労働)
   25%以上
  C時間外労働+深夜労働(時間外労働が深夜に及んだ場合)
   25%+25%=50%以上
  D休日労働+深夜労働(休日労働が深夜労働に及んだ場合)
   35%+25%=60%以上

  なお、例えば会社の法定労働時間が7時間の場合、1時間残業させても、法定労働時間を超えていませんので、割増賃金はつきません。
 

割増賃金の計算方法
 (1)割増賃金は、通常の労働に対する賃金額(基本給+諸手当)に、上記の割増率を掛けて算出します。通常の労働に対する賃金額は、1時間あたりの賃金額を使います。
  割増賃金のの計算基礎となる賃金のことを「基準内賃金」といい、計算対象とならない賃金のことを「基準外賃金」ということがあります。
  この時間単価は1ヶ月の平均所定労働時間数を1ヶ月平均所定労働時間数で除して計算することが多いようです。「平均」を使用するのは1月、8月などの休日の多い月と他の月との労働日数の変動をならすためです。   

 (2)諸手当の取扱い
  ・通勤手当、家族手当、住宅手当などは通勤距離、家族の人数などに応じて個別に支給額が決定されている場合には割増賃金の計算対象には含めません。
  ・ただし、家族手当や住宅手当を従業員一律いくらとして支給している場合には割増賃金の計算対象に含めます。
  ・なお、会社の判断で、これらの賃金を通常の労働に対する賃金額に含めて計算しても問題はありません。

 
残業労働
 (1)法定労働時間を超えて社員を働かせる場合は、あらかじめ会社と従業員との間で書面による協定を結び、所轄の労働基準監督署に届け出なければなりません。
  これが36協定(時間外労働や休日労働に関する協定)です。
  協定の届けをせずに、割増賃金だけを支払っても労働基準法違反となります。

 (2)所定労働時間を超えている労働であっても、それが法定労働時間内の労働であれば割増賃金および36協定は必要ありません。


休日労働
 (1)休日には2つあります。
  @法定休日
   労働基準法では「毎週少なくとも1回の休日」または「4週間を通じて4日以上の休日」を与えなければならないとしています。これを法定休日といいます。

  A所定休日
   会社が就業規則などで定めている休日をいい、必ずしも法定休日とは一致しません。完全週休2日制では、2日の休日のうちのどちらかが所定休日となるわけです。
   そのため、週休2日の場合には、どちらか1日の休日に働かせたとしても、法定休日が確保されているので休日労働とはなりません。しかし、週休2日の両方の休日に働かせると、2日働いたうちの1日が休日労働になります。

 (2)労働基準法では、法定休日労働には割増賃金3割5分以上を支払わなければならないとしていますが、所定休日労働については法律上は何も規定がありません。
 また、それなら完全週休2日制なら土曜日の労働に対しては割増賃金を支払う法律上の義務はないのかとなりますが、金曜日までに40時間以上のその社員が労働していれば時間外労働となり、割増率2割5分の割増賃金を支払う必要があります。


振替休日と代休
 (1)振替休日
   あらかじめ就業規則等で規定して、休日と定めている日を他の労働日と振り替えること。
   まえもって、就業規則で定める、振替日は事前に通知するなど従業員との間で手続が必要となります。
   休日手当は不要です。ただし、その週において1週間の法定労働時間を超えた場合は、その超えた部分について時間外手当が必要となります。

 (2)代休
  法定休日に労働をさせた場合に、その後に代わりの休日を与えることで、法定休日労働に該当します。
  その後、代わりの休日を与える与えないに関わらず、労働させた法定休日について休日手当が必要となります。
  代休は、法律上与えることを義務づけられていません。したがって、休日に働かせたときに、必ずしも代休を与える必要はありません。


変形労働時間制
 (1)変形労働時間制とは
  労働時間は1日8時間、週40時間以下と決められていて、これを超える時間を労働させる場合は、時間外労働となるのが原則です。時間外労働になれば当然時間外手当の問題が生じてきます。
   業態によっては、上記法定労働時間が業務にそぐわない場合があります。例えば、1ヶ月のうち前半はめちゃくちゃ忙しいが後半はほとんど仕事がないくらい暇だとか、あるいは1年のうち夏は忙しいけど冬は暇だとか。また1週間のうちでも忙しい時と暇な時がある業種もあります。
 このような業種では変形労働時間制を採用する ことで暇なときには人が遊んでしまう一方で、忙しいときには残業等で割増賃金を支払わなければならないという事態を回避することができます。

 (2)変形労働時間制のパターン
  @1か月単位の変形労働時間制
   1か月以内の一定期間内で平均して、1週間あたりの労働時間が法定労働時間を超えなければ、特定の週や日に法定労働時間を超えて労働させることができます。
   1か月のなかでの繁忙期とそうでない時期での業務に必要な労働時間に大きな差が生じるような会社に向いています。

  Aフレックスタイム制
   1か月以内の一定期間(清算期間という)の総労働時間を平均して、1週間あたりの労働時間が法定労働時間を超えなければ、従業員が始業時刻や終業時刻を自ら決めることができます。
   従業員全員の出勤が必要なコアタイムを除けば個々の従業員に始業、終業の時刻を任せても支障のない会社に向いています。

  B1年単位の変形労働時間制
   1年以内の一定期間を平均して、1週間あたりの労働時間が法定労働時間を超えなければ、特定の週や日に法定労働時間を超えて労働させることができます。
   1年のなかで繁忙期とそうでない時期での業務に必要な労働時間に大きな差が生じるような会社に向いています。

   ※1年単位の変形労働時間制を採用するに、1ヶ月単位の変形労働時間制を採用する場合に比べやや厳しく、必ず労使協定を締結して、労働基準監督署長に届出をしなければなりません。

  C1週間単位の非定型的変形労働時間制
   1週間あたりの労働時間が法定労働時間以内であれば、特定の日に10時間まで労働させることができます。
   忙しい日とそうでない日の業務に必要な労働時間に大きな差が生じ、それが定期的でないような会社に向いています。


 

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