原価をどう計算するか

ホーム
上へ

お知らせ 事務所紹介 会員ページ トピックス解説 中小企業頑張れ
会計を理解しよう 税法を理解しよう 総務知識も知っておこう 弥生会計を活用しよう  
    データ書庫

お薦めサイト

HPご案内

原価とは何だろう?
 製造原価、仕入原価という「原価」という言葉はよく耳にしますが、それでは「原価とは何か」、「どうすれば正しい原価が計算できるか」はかなり難しいものです。特に製造業の場合には尚更です。
 と言いますのは、当然ながら、原価とは製品1個作るのにかかった費用と常識的に考えることができます。しかしながら、企業のなかで発生したすべての費用を製品一つ一つにもれなく割り当てる(関連づける)のは非常に難しいです。具体例をあげますと、工場の電気代や減価償却費、工場長の給料などが、どの製品の原価に入るのかと考えてみれば「割り振りようがない」ことがおわかりになると思います。
 そして、「割り振りようがない」ことが事実だとしても工場の電気代や減価償却費、工場長の給料などはすべて製造原価であることも間違いないことであり、製品の原価に割り振り、原価以上の販売価格で販売しなければ、経営が成り立たないこともまた事実だからです。


100円で販売している商品に60円の大量注文が来たらどうする?
 具体的な例で考えてみましょう。今、100円で販売している商品を大量注文を条件に60円で売ってくれという注文があったとします。この商品の「原価」は80円だったとします。さて、この注文は受けるべきでしょうか、断るべきでしょうか・・・・・。
 もし、私がクライアントからこの質問を受けたとしたら、まず聞くことは「原価はどうやって計算していますか。原価の内容を教えてください」ということです。
 この質問に対してクライアントが「原価は80円で材料費が40円、労務費が20円、機械の減価償却費等の経費が20円」と答えたとします。よって、原価が80円で注文売価が60円だからこの注文を受けることは損を生むだけだから、受注しないとなるかといいますと、そうはなりません。どうしてでしょうか?
 

原価のなかの固定費をどう扱うか
 賃金が1日1万円だったとします。そして、賃金は定額で受注が多くても少なくても同じ1万円を工員に支払うとします。そして、先月は平均して1日に500個の製品を作っていたいましたので、製品1個あたりの労務費は20円(1万円÷500個)とクライアントの方は答えたわけだったのです。
 ですが、1日に500個の生産量は受注が少ないための数量で、フル稼働すれば1日800個は作れるとします。そして、大量受注の納期が10日後であれば残業しなくても3000個までの注文なら生産することができることがわかります{(800−500)×10}。
 そのため、この3000個の大量注文での労務費コストは6万円(3000個×20円)ではなく、ゼロと考えることができます。同じように、機械も現在使用している機械だけで大量注文を捌ければ、同じく減価償却費等の経費のコストも6万円(3000個×20円)ではなく、やはりゼロと考えることができるわけです。
 結果として大量注文のコストは材料費だけとなり、1個ベースで20円(売価60円−材料費40円)の利益がでるから、この注文は受けた方がいいと結論づけることができます。


固定費とは

 上記のような以外な結論になったのはこのクライアントの状況では労務費と減価償却費等の経費は生産量がある上限まで増加しても、追加的コストが発生しない費用だからなのです。こうした原価のことを固定費といいます。
 これに対して材料費は生産量が1個増加すれば、1セット(40円)増加しますから、変動費といいます。
 固定費の難しさは製品1個あたり固定費はいくらとは表現できないことにあります。1日の賃金1万円という固定費があったとしまして、500個作れば製品1個あたり固定費は20円、400個作れば製品1個あたり固定費25円となるからです。

 そのため、原価を考える場合、どういう状況で原価を計算することが求められているのかを考え、どう固定費を扱うかで原価の金額が大きく変わってくるということになります。 

                                             < 続く >

horizontal rule